平年なら涼しいはずの談酒館の裏山に
「☆~っ」
「ん。何の声だろう」生き物の叫び声ではありますが、私はこれまでに聞いたことがありません。
仕掛けたオリ罠に近ずいて見ますと、扉が閉まっていますが、得物の姿は見えません。
「はて、確かに声はオリの方から聞こえるが、姿がない」
オリのそばに行って見て納得しました。
トンビが檻の外に向かって叫んでいたのです。
あまりの暑さに、涼むためにオリに入ってみたところ、扉が閉まってしまい
外に向かって声にならない声で叫んでいたのでした。
トンビは大空で翼を広げれば涼しいでしょうが、地上で翼をたたんでいると、
羽毛布団にくるまった状態ですから、随分と暑かったのだろうと思いました。